17世紀の初頭に九州有田の地で焼成に成功した日本初の磁器有田焼の発展はめざましいものがあり、17世紀の中頃には青一色の染め付けの焼物からさまざまな色を施した色絵磁器の生産を可能としました。（伊万里港から出荷された為伊万里焼きと言われる)
時折しもヨーロッパの王侯貴族からの注文を賄っていた中国明王朝が衰退し、末期の混乱で生産能力が低下した時代であり、オランダ東インド会社を中心とするヨーロッパからの注文を日本が請け負う事となり、有田の色絵磁器はその品質および生産量において飛躍的な発展を遂げる事と成りました。
写真左は古伊万里色絵皿で最盛期の江戸元禄時代の物です。しっかりとした構図に見事な色絵が施されております。写真右は江戸末期の蓋付壺です。元々ヨーロッパの貴族が高価な香木を入れる為に作られた事から沈香壺と呼ばれています。当時お城のパーティー会場では１メートルを超える大型の壺がいくつも用意され、舞踏会の開始を知らせるドラの音と同時に従者によって蓋が開けられ会場には高貴な香が満たされたと伝わっております。
　皿直径約23.5センチ（中央に焼成時の物との思われるキズあり）
  壺高さ27.5センチ（蓋に修理あり）
店頭小売価格税込み各　¥15000